◇住所: 熊本県熊本市中央区京町本丁5-12
◇電話: 096-356-2492
◇HP: http://elem.educ.kumamoto-u.ac.jp/
◇アクセス:
・JR九州 鹿児島本線 「上熊本駅」
・熊本市交通局(路面電車)「上熊本駅前駅」
・熊本市営バス 昭和町線・池田京町線・池田健軍線 「京町本丁」バス停
◇創立: 1877
◇児童数:
◇募集人数: 男女合わせて105名(附属幼稚園からの入学者を含む)
◇併設校: 熊本大学教育学部附属中学校・熊本大学教育学部附属幼稚園・ 熊本大学教育学部附属特別支援学校・熊本大学
◇昼食:
◇制服:
◇スクールバス:
◇入学金:
◇授業料:
◇その他:
【校長先生より】
熊本大学教育学部附属小学校は、実践研究開発校として、「現代的教育課題」に対して、全国へ実践成果を発信するとともに、それを地域の教育にも還元していく役割を担っています。 平成22年度より、熊本大学教育学部は、5カ年計画で「論理的思考力・表現力育成のための幼小中連携、教科間連携によるカリキュラム開発」を学部研究者と附属学校園との連携事業として開始しました(熊本県教育委員会後援、熊本市教育委員会共催)。
一方、熊本大学教育学部附属小学校では、平成21年度から23年度までの3年間、文部科学省委嘱研究校として「論理科カリキュラム開発」に携わってきました。論理科では、「対話」による論理的コミュニケーション能力の育成を目指して実践を重ねてきました。その基盤理論として、トゥルミンの論証モデルを参考にしています。なぜトゥルミン・モデルかというと、現在、特定の専門知識を持たないで行われる日常的な議論(アーギュメント)の組み立ての中核にある理論だからです。しかも、国語科教育、社会科教育、科学教育などにおいて、既にこのモデルを取り入れながら、教科の学びが進展しています。その活用によって、論理科と教科を、そして、教科相互をつなぐことが可能になると考えています。
しかし、本校ではトゥルミン・モデルを参考にしながらも、さらに発達調査などをもとに、児童の事実に即した論理科カリキュラムの基盤を作っていくことを目指してきました。この論理科の成果は、内田伸子・鹿毛雅治・河野順子・熊本大学教育学部附属小学校著『「対話」で広がる子どもの学び―授業で論理力を育てる試み―』(2012年、明治図書)で発表しています。
本年度は、この論理科の成果を各教科の言語活動の充実に生かすべく研究を推進していきます。
現在、教育界は大きな転換期にあります。PISA2003年調査において、日本の高校生の「読解力(reading literacy)」が大きく低下したことは、教育関係者に大きな衝撃を与えました。PISAにおける「読解力」とは、「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」と規定されおり、これまでの国語科教育における読解力よりも機能的・実用的な性格が強いものになっています。日本の高校生の出来が悪かったのが、「熟考・評価」に関する自由記述式の問題です。このことから、テキストを読んで考えたことを自分の知識や経験と結びつけて表現する力が弱いということが明らかとなりました。いかにして自分の考えを持つことができるか、そして、それを論理的に表現することができるかということが喫緊の課題となっています。
こうした教育的背景の中で、平成23年度から実施された新学習指導要領では、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力その他の能力をはぐくむとともに、主体的に学習に取り組む態度を養うことが謳われています。つまり、基礎的・基本的な内容である知識・技能を「活用」するために、言語活動を通して「思考力、判断力、表現力」等を育てることが指摘されているのです。
現在、小・中学校では、言語活動をどのように組織し、どのように対話型授業を実現するかということが大きな課題となっています。私たちは、子どもたちが根拠(客観的な事実・データ)をもとに、自分なりに理由づけ(事実・データの解釈・推論)をして自分の意見を主張し、話し合い、考え合うことを基盤とした言語活動の充実を図ることが思考力・判断力・表現力の育成、さらには応用可能な知識・技能の形成につながると考えています。こうして、あくまでも子どもの学びに即して、教科間連携も図りつつ授業開発を行っていくつもりです。
みなさまの忌憚のないご意見をいただきながら、多くの学校現場にも寄与できるような実践研究に取り組んでいきたいと思います。
【使命】
本校は、国立大学法人熊本大学教育学部の附属小学校であり、次の四つの使命をもっています。
(1) 教育基本法、学校教育法に基づく初等普通教育を行う。
(2) 教育理論及び教育の実際に関する実践研究を行う。
(3) 教育学部の学生に対する教育実習を通して、教員養成を行う。
(4) 公立学校への研究協力と情報提供を行う。
【目指す子ども像】
本校では【自主自立の教育】【個性重視の教育】【自他の尊重の教育】を教育目標とし、次の三つを目指す子ども像としています。
●考える子
○ 確かな学力を身につけ、進んで課題に取り組み、科学的に追求し、自分の考えをもち、新しい時代を創造する子ども
○ 豊かな感性をもち、自然や郷土及び日本を愛する心情をもった子ども
●強い子
○ 心身ともに健康で、ねばり強い心をもった子ども
○ 自覚と責任をもって、最後までやり遂げる子ども
●明るい子
○ 仲良く協力しあって、ともに伸びる子ども
○ 学校のきまりや生活のマナーを守り、勤労を尊び、感謝や尊敬の気持ちをもった心豊かな子ども