入試までまもなくです。
これからの時期は発展問題を始めたり、実戦的な問題に取り組んだりされる方が多いとは思いますが、この時期だからこそ、小学校受験に必要な基本動作をもう一度見直されてはいかがですか。
このページは、 発展的な問題にばかり目が奪われがちな保護者の方に、お子様がしっかりとした基本動作ができているかを確認していただくためのページです。

 

その1  ハンカチの使い方

トイレに行った後に手を洗うとき、どのようにハンカチを使っていますか?
入試において手を洗う機会はよくあります。
ここでもう一度ハンカチの使い方を確認しておきましょう。

手を洗うときハンカチはどこにありますか?
ポケットの中ですか?顎ではさみますか?脇にはさみますか?
ポケットの中にしまっていては、びしょびしょの手をポケットに突っ込んでハンカチを取らなくてはならずあまり良い方法とは言えません。
かといって洗い終わるまであごや脇にはさむというのも美しくありません。特に女子校を受験する場合注意しなければなりません。
トイレに行く前にポケットから少しハンカチを出しましょう。そして手を洗い終わったらハンカチをつまみ出し、ハンカチを広げて手をよく拭きます。次にハンカチを元の折り目通りに綺麗にたたみ、ポケットに戻しましょう。
当たり前と思うことでも幼児ですと忘れてしまうこともありますし、出来ていないこともあります。入試前に一度確認してみて下さい。

 

 その2  靴の履き方

靴の履き方に注意しましょう。
入学試験日では必ずと言っていほど、上履きや体育館シューズに履き替えます。
そこで注意したいのが履き方です。
靴を履くとき、腰を下に下ろしてはいませんか?
ほんの小さなことでしょうが、腰を下ろさずに履くのと、腰を下ろして履くのでは印象が大きく違ってきます。
最近は、門に入ってから門を出るまでが入学試験と捉える小学校が増えてきています。
これは、訓練されている面だけでなく子どもの素を観察したいという学校側の考えの表れです。
靴の履き方で合否が決まることはありませんが、履き方を身につけておいて損はないでしょう。
普段から腰を下ろして履いていると、入試1週間前に、お子さんに腰を下ろして履かないように言い聞かせたところで、自然といつもと同じように履いてしまうものです。今の時期から腰を下に下ろさずに履く習慣を体に染み込ませて、入試直前に慌てることのないよう指導しましょう。

 

 その3  数えチェックの入れ方

数量問題でよく見られることです。
イラスト上のアメやリンゴの数を数えるとき、また数を分ける問題の時に、鉛筆やクーピーの筆記用具でイラストにチェックを入れる子どもがいます。チェックを入れること自体は何の問題もありませんし、殆どのお子さんがそうしています。
問題はそのチェックの大きさです。
チェックするのは、数え間違いをおこさないためであって、あまり大きくチェックや目印を入れるべきではありません。なぜそんな細かいことを・・とおっしゃる保護者の方もおられると思いますが、実際に入試でおきたことで、チェックが大きすぎたために、解答なのかチェックなのか採点する先生が困ることがあるそうです。
本当は問題を理解しているのに得点できないことがあるのです。
数える問題が出題された時、チェックをして数えるということは教わっていても、なぜそうするのか、なぜ大きく書いてはいけないのかを教わらずに、問題に取り組んでいる子どもがまれに見受けられます。また教わっていても、数多くの問題をこなしているうちに忘れることもあるでしょう。
一度お子さんの解答用紙を見て下さい。採点する先生に誤解を受けないチェックの大きさかどうかを確かめて下さい。チェックが少し大きいかなと感じたら、チェックの意味を指導してあげればすぐに直ります。

 

 その4  なわとび

運動テストでなわとびを出題する学校があります。
なわとびが1回も飛べない子どもがたまにいます。
小学校入試では取り組む姿勢が大事だと言われますが、1回も飛べないのと、飛べるのでは印象が変わってきます。まずは5回は飛べるようにしておきましょう。5回飛べるようになるとその後は比較的簡単に回数が伸びていきます。
なぜ飛べるようにした方が良いかというと、なわとびが1回も飛べない→他の運動もできないのでは・・とテスターに想像させてしまうからです。なわとびだけが苦手で、ボール投げや平均台、ぶら下がりはちゃんと出来きる子どもなのだろう、とはテスターは考えないでしょう。
諦めない姿勢は確かに大事です。近年では、小学生でも諦めが早い子どもが増えてきているので、諦めない粘り強い子どもを評価する小学校が増えてきているのは事実です。しかし、その姿勢だけではなく基本運動もしっかり出来るということもとても大事なのです。
後日面接を行なう学校であれば、その結果をみながら面接されます。いつも子どもと公園で一緒に運動しています、とお父様が言っても説得力がありません。
今からでも間に合います。1回でも2回でもいいですからなわとびが飛べるように練習してみてください。少しでも飛べるようになるだけで、子どもが自信を持てるようになり色々なことが変わってくることもあります。なわとびに限らず、基本運動はなるべくできるようにしておきましょう。

 

 その5  見直しのくせをつける

お子さんは見直しのくせがついていますか?
時間内に問題が終わってしまった時、殆どの子どもがクーピーペンを置き、前を見たり他のところを見たり
しています。
小学校受験で出題される問題の大半は基本問題で、しかも解答時間は比較的ゆとりを持たせて設定しています。
これは、時間内に終わらせる処理能力を観察したいのではなく、問題が理解できているか、解答できる能力があるかに重点を置いた小学校が多いからです。ですから、殆どの場合時間が余るのです。
その余った時間で見直しをして欲しいのです。まだ幼児ですから、最初に書いた解答が間違っている確率が高いのです。見直すくせが付いているか保護者の方は観察してみて下さい。
授業や、模擬試験で点数の良い子は見直しがしかっりできている子ばかりです。
見直しの時は、すぐに訂正が出来るように筆記用具を手に持ちながらということも絶対に忘れないで下さい。

 

 その6  制作のゴミ

入試で制作テストを実施している小学校が沢山あります。
最近の幼児は材料を工夫して作る制作を苦手としている傾向があり、小学校も「工夫力」「創造力」「独自性」などに主眼をおいて観察をしています。ここで忘れてはならないのが「片付け力」「「整理力」です。
今回はそのことについて書きます。
片付けができない幼児が増えています。おもちゃでも制作道具でも散らかしっぱなしで片付けない。
やりたいことは飛びついて行なうのに、後始末が苦手のようです。
机の上で制作を行なう時、ゴミをどうしていますか?
制作が完成した後にゴミをまとめますか?
この場合、制作をしながらゴミを小さくまとめて机の右上または左上にまとめながら制作を行なうのが良いでしょう。
必要なものと不必要なものを分けながら作品を作り、常に机上を整理しながら机の広さを有効に使うよう心がけましょう。
そうすれば、制作中に道具や材料を落とさずに済みますし、何より作品が綺麗に仕上がります。
折り紙、新聞紙などの切れ端はそのつど小さくまとめるくせをつけておきましょう。

 

 その7  面接時の座り方

面接時の座り方についてです。
背もたれに背中はつけない。背中をピンと伸ばす。手は膝の上、足はブラブラさせない。
これが基本なのは百も承知でしょう。しかしこれが出来ない時があるのです。
出来ない時はどんな時でしょうか。

・面接時間が2,3分経った時
・自分への質問が終わり、保護者に対する質問が始まった時
・練習していない質問をされた時

大体この3点の時に姿勢が崩れます。
幼児は特に、練習していない質問をされた時、殆どといっていいほど手をいじり始めます。
お子さまには面接が終わるまで、手を膝の上に乗せて動かさないように言って聞かせましょう。
また、自信を持たせることで、手の動きが少なくなるので受け答えを褒めてあげましょう。
それを繰り返すことでお子さんも面接に自信が持てるようになるはずです。
足をブラブラさせるのは、何より本人の気持ちが落ち着かなくなるので、つま先が床につくように座る位置を前に調節して下さい。
学校によっては、椅子でなく校長室のソファーで面接を受ける場合があります。
そのような場合にも落ち着いて受け答えが出来るよう、家のソファーで練習しておくと良いでしょう。
お子さんの座り方が椅子の時よりも難しくなります。なるべく前の位置で座るようにして下さい。
私の経験からお話すると、校長室のソファーはなぜか柔らかいソファーがとても多いです。
ですからお尻が深く沈み、背中が丸まり易くなるので、保護者の方も座り方に注意が必要です。
細かいことですが、気をつけた方が良いでしょう。

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